2013年1月10日木曜日

自省――"Power"を認識すること

こんにちは。
新年も明け、すっかりテスト週間になりましたね。

模擬国連を離れてかれこれ3週間くらいです。まだ抜けきってないです。はい。
進路も全然未定でお先真っ暗なんですけど、ちょっと面白い動画とか見つけたんで、紹介したいです。




その前に、動画の前振りで、模擬国連の話をします。

模擬国連、やっている人なら分かりますけど、交渉ゲームです。
国連総会という場で言葉の討論をして、票を集めて決議案を通すシミュレーションです。
多分、こんな定義で大きな間違いは犯してないでしょう。


このゲーム。総会は一国一票ですから、私たちは結構票集めに必死になるんですよね。
議論も大事なんですけど、最後は票を集めたほうが勝つんです。
だから、ほんとは最初からG77+Chinaって言われている、国連の途上国グループが強いんです。

模擬国連のディレクターさんたちはつまんない会議をみたくないエゴイストばっかりですから、できるだけ先進国と途上国の数の差を縮めて、このG77+Chinaと先進国をイーブンな状態で戦わせて、議論させようとするんですね。

で、さらに模擬国連には、シミュレーションの後のレビューってものがあります。
ここで、エゴイストなディレクターさんたちは、「アメリカと交渉していないのは遺憾だ」「多国間協調の精神が足りない」とか言うわけです。

私たちもぎこっかーは、ディレクターのご都合主義というか、議論を成立させるための場づくりの中で、いつの間にやら多国間協調の世界の中にいるんだ! という、まぁ最近の世間でもありていな認識の中に立つわけですね。多国間協調の意味は曖昧ですけど。


もともともぎこっかーを目指される方は、国連を理想的に見ているきらいがあるので、そういう方向に自分も向きたいという願望があるので、当然そのディレクターの意思にのって、慣習として「できるだけ議論しなければいけない」という方向に流れていくわけです。
(言い方少し悪いですね。ごめんなさい。私も高校生の頃は国連は綺麗なところで、開発とかやってるとこだと思ってました)



けれど、もぎこっかーの私たちが見落としているものがあります。

"Power"です。

国際関係論をやれば、真っ先に出てくるこの単語。嫌いな人も多いでしょう。でもしっかり向き合わなければいけません。


先ほど、「アメリカと交渉していないのは遺憾だ」という話をしましたけれども、これは"Power"という面からは確かにその通りな話で、アメリカとアメリカ以外の世界の軍事費は現在ほぼ拮抗状態にあるんですね。軍事面だけでなく、経済面、知的財産面、あらゆる部分でアメリカの"Power"が強力なことは言うまでもないことだと思います。


ところが、そのPowerがtransitしていることも事実でしょう。大事なのは"Power Transition"を分析することで、今後の未来をどうデザインすることだと思います。アメリカ優位な世界から、徐々に中国が強力になっていってますね。2010年には中国の名目GDPが日本を抜きましたよね。だから米中2強になっていく。これからはG0なんだ、という人たちもいますけど、それでも米中が強い。

さらに、BRIiCSという存在もある。一応国を書いておくと、ブラジル・ロシア・インド・インドネシア・チャイナ・サウスアフリカですね。こういった存在にパワーがシフトする。しかも、これだけじゃなくてNext 11っていう潜在的な国々もいる。


僕らは"Power Transition"を無視しすぎなんじゃないでしょうか。


模擬国連だけじゃないです。むしろ模擬国連の知見を現実に活かすときに、これからの日本でどう生きていくのか、そういった未来予測に"Power Transition"の要素があまりに組み込まれていない。これは私たちが軍事費とかそういったものに着目しなかったり、就職活動の最適行動がこういった"Power Transition"に着目することではなかったり、さまざまな要因があると思います。

けれども、少し考えないといけないことがあります。僕らがバリバリに働くことができるのは30代後半から40代だとすれば、20年間の変動というものを考えないといけない。

20年前。日本はジャパン・アズ・ナンバーワンだった。バブル最強でしたよね。そして冷戦が終わった。
ところが、僕らがここまで生きてくるあいだに世界は大きく変わりました。北朝鮮が核を持ったのは僕らが生きてる間ですし、中国に抜かれたのも僕らが生きている間です。ユーゴもそうですよね。
20年で世界は変わるんです。バリバリに仕事をする頃ってのは、今とは違う世界のはずです。

では、冷戦後の20年間を見てきた僕らは、この後の20年をどう予測すべきなのでしょう。


この予測に、模擬国連が非常に有用だと、僕は思ってるんですね。
そのためには"Power Transition"を理解して政策立案・会議行動を行う必要があるわけですけれども、じゃあどう理解するか。

僕は今日、ある動画を見て、非常に感銘を受けました。
慶應大学のオープンキャンパスの動画です。


例えば、30年後くらいにもしかしたら中国がアメリカに「軍事費で」キャッチアップするかもしれない、と言及されています。
例えば、その中国に対してアジアが連携すれば、なんとか対抗できるかもしれない、と言及されています。
ゴールドマンサックスやSIPRIの統計から、いったいどんな未来が見えるのか。オープンキャンパス動画だからってナメないほうがいいと思いますよ。私は喝を入れられた気分で、これまで模擬国連で何をやってきたんだ、と思い知らされました。自省です。


それでは、動画を見てください。4分割の動画で40分くらいですが、間違いなく見て損はないです。






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